【薬剤師が教える】妊産婦の突発性難聴

妊婦

妊娠中・授乳中でも、突然耳が聞こえにくくなることがあります。それを突発性難聴といいます。

 

症例

〈妊娠中〉
妊娠5か月目なのですが、耳が聞こえにくく受診したら突発性難聴と言われました。
妊娠中なので薬を飲むのが不安です。

〈授乳中〉
生後4か月なので授乳中なのですが、突然耳が聞こえにくくなり受診したら突発性難聴と言われました。
授乳はどうしたらいいですか?

処方内容:プレドニン(用法・用量は割愛)
(※どちらも併用薬や既往歴などのファクターはないものとする)

 

考え方と結論

妊娠中の場合

プレドニンは「妊娠中に服用すると動物実験ではあるが催奇形性が報告されており
新生児に副腎不全を起こすことがある。」添付文書には記載されている。
人への影響について、先天異常全体の発現は増加させなかったが口蓋裂のリスクが約3倍増加したとの報告もある。

の閉鎖は妊娠10週ごろの閉鎖は妊娠12週ごろ完了すると言われている。

新生児の副腎不全にも注意は必要だが、プレドニンは胎盤で代謝されるため、
臍帯血漿中の濃度は母体血漿中の濃度の1/10程度と報告されている。
口唇口蓋の閉鎖が完了しているであろう妊娠周期以降であれば、
突発性難聴のような短期投与のプレドニン服用による影響は少ないと考えられる。

体調不良がストレスになり、赤ちゃんの負担にならないように、医師と妊娠周期を確認しながら
検討していただくのがいいと思います!

 

授乳婦の場合

添付文書には「母乳への移行性があるため服用中は授乳を避けること。」と記載されている。

母乳を介した摂取量は、母親の体重で補正した量の0.1%未満と報告されており、
相対的に過量な摂取量ではない。

低用量の短期投与であれば授乳は問題ないと考えられる。

高用量(40mg/日以上)を継続して服用する場合は、お子さんへの副腎機能抑制に注意が必要。

投与から4時間は授乳を控えることでお子さんへの暴露量を低減ることが出来ると考えられているのでプレドニンの服用が必要なのであれば、間隔をあけたり、粉ミルクを検してください。

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