【薬剤師が教える】高血圧薬(ARB・ACE阻害薬)服用中の妊娠

妊婦

妊娠可能年齢の女性の中には、高血圧・腎疾患を患っており、薬でコントロールしている方もいると思います。

ARB・ACE阻害薬とは

簡単ではありますが、作用機序と効果を記載させていただきます。

これら二つは、レニン-アンジオテンシン系において血圧上昇に関与する”アンジオテンシンⅡ”の働きを抑制する薬剤です。
これらは即効性ではなく有効かどうかは4~8週くらいは評価するのにかかります。

ブラジキニンによるNO遊離効果により血管が拡張し血圧が下がるので、高血圧の方に処方されることもあります。

腎臓の機能にあるように、糸球体で浸透圧によるろ過を行う(圧力を作る)ために輸入細動脈よりも輸出細動脈の血管が細くなっているが、腎血流が悪くなると圧力が維持できず、さらに輸出細動脈を収縮させてろ過圧を高めようとする。
これを抑制するので、輸出細動脈の負担軽減となり腎保護作用があるので、腎臓が悪い人にも処方されています。

 

症例

高血圧でロサルタンを飲んでるのだが、妊娠に気づかず今日まで飲んでいた。
今妊娠3ヶ月といわれたのだが赤ちゃんへの影響はないでしょうか?

という相談です。

 

添付文書にはどう書いてある?

今回は具体例としてロサルタン(ARB)で見ていきます。

「妊婦・妊娠の可能性がある人は禁忌。判明次第だ経ちに中止すること。
〔妊娠中期及び末期に本剤を含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、多臓器不全、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の奇形、頭蓋顔面の奇形、肺の発育不全等があらわれたとの報告がある。〕

 

と記載されています。

 

ARB・ACE阻害薬の胎児毒性とは?

母体から胎盤を通して移行するので、胎児のレニン・アンギオテンシン系を阻害していまい、
胎児の血圧低下・腎血流量の低下を引き起こし、胎児の尿量が減少することで羊水過少をきたし、
胎児の成長が妨げられてしまいます。
その結果、頭蓋や四肢の変形、肺の形成不全をなどの悪影響を及ぼすことが知られています。

 

絶対に飲んだらダメなの?

妊娠初期といわれる4ヶ月くらい(妊娠13週)までは先天奇形の発生リスクはの増加は認められず、通常の催奇形性を上回ることはないと調査研究で考えられているが、まだデータが少なく安全と結論付けることは出来ません。

妊娠中期(14週以降)・後期での服用は胎児毒性が国内外で報告されているので、使用できません。

 

結論とまとめ

日本産婦人科学会・日本婦人科医会の「産婦人科診療ガイドラインー産科編2020」より

「妊娠初期にうちに他剤へ変更するべき。」 とのこと。

気づかず飲んでいたのなら早めに他の薬に変えたほうがいいので、医師に妊娠していることを伝え、薬の相談をしてください!産科の医師にも赤ちゃんの様子を確認してもらって下さい。

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